【アロマの処方箋】香りが伝わる脳のしくみ

みなさん、こんにちは。アロマセラピストの今井です。

アロマの処方箋2回目となる今回は、「なぜ精油の香りを嗅ぐことで、人はリラックスするのか」を、香りが伝わる脳のしくみから考えてみましょう。
 
ヒトをはじめとした動物は、なぜにおいを感じるのでしょう?
 
・・・それは・・・
命にかかわるから!
 
動物は、エサや敵のにおいを嗅いで、危険なものかどうかを判別しています。自分にとって嫌なにおいのものは、大抵「危険物」です。
 
(小学生向けの講座では、ここでひとしきり臭いネタで盛り上がったりしますが、大人の読者のみなさんには敢えて聞いたりしませんから、危険物を自由に妄想してぐふふと堪え笑いしていてください。)
 
「危険物」ということは、生命維持にかかわります。
 
例えば、腐った牛乳。想像するだにおぞましいですが、ここは頑張って!まずは、においを想像してみましょう。次に、飲んじゃったらどうなるかを想像してみましょう。
 
(このコラムはどこに向かうんでしょうかね?)


 
いかがでしたか?嫌な臭いが、命にかかわることをバーチャル体験していただけたかと思います。
 
全ての動物には「死にたくない!」「生き延びたい!」という生存本能があります。そのために、嗅覚の刺激を受け入れると、大脳辺縁系という本能を司っている部位に直接情報が伝わり、身体調整をします。嫌なにおいを「うえっ!」と一瞬で遠ざけることができるのは、この仕組みのなせる技です。
 
大脳新皮質という、知性・理性的な解釈を担う部位をちんたら通っていたら、手遅れになりかねないのです。ちなみに視聴覚刺激は大脳新皮質に情報が伝わります。ちんたらしてても比較的大丈夫だからですね。

好きな精油の香りでリラックス

 
大脳辺縁系には、「海馬」「扁桃体」という部位があります。海馬は、記憶の中枢です。体験や学習によって獲得した記憶を貯蔵しています。扁桃体は、快・不快・恐怖といった情動反応を起こす部位です。例えば、「おばあちゃんちのにおい」が優しい、温かい記憶として残っていて、大人になってから、ふと同じ香りを感じた時に「懐かしいにおい」と感じたり、おばあちゃんのことが思い出されたりするのはそのためです。
 
また、大脳辺縁系に隣接する「視床下部」も嗅覚情報による影響を受けることが知られています。視床下部は自律神経系(内臓のはたらき・体温調節など)、ヒトの基本的欲求(食欲・睡眠欲・性欲)を支配しています。また、視床下部の底部には「下垂体」が付着しており、ホルモンを分泌する内分泌系のはたらきとも深くかかわっています。


 
好きな香り(=これまでの体験から快の情動を伴い、生存を脅かさない安全なもの)を楽しむことは、心地よいという感情を引き起こします。同時に自律神経や内分泌系が整い、恒常性(体内環境を一定の範囲で維持する仕組み)を維持し、免疫力を保つことに役立ちます。
 
そういった仕組みで、私たちは好きな精油の香りで日頃の疲れから解放され、「あ~リラックス~♪」「癒されるわ~♪」などと感じるのです。

(アロマテラピーを広い意味で捉えるのであれば、植物から採れる精油の香りである必要もありません。例えば赤ちゃんのにおいもリラックス効果があるとされていますね。)


この記事を書いた人:今井紀子(with Aroma)
[sitecard subtitle=関連記事 url="https://hapihapi.com/?p=4376" target="_blank"]

公式LINEで最新情報をお届け!
親子で参加できるイベント情報、お得なプレゼント情報や当WEBサイトの更新情報など「はぴはぴ」の最新情報を不定期でご案内します。
公式LINEだけのスペシャルなお知らせも!ぜひ登録してくださいね。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします